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February 16, 2018

祈りの幕が下りるとき

原作は東野圭吾。TBSでドラマ化された『新参者』シリーズの完結編だそうだ。原作未読でドラマも一回も見たことがなく、なぜかYahooのレビューがいいのにつられて鑑賞した。ミステリーとしてはありきたりな感じがしたものの、松嶋菜々子の熱演に救われたような一作。(ネタバレ)
 

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殺された女性と同時期に近くで発見された焼死体。2つの亡骸を結びつける線を阿部寛演じる加賀恭一郎が追ううちに、この事件が彼の過去、家出した母親にも連なっていくことを発見する。
 真相に向けて玉ねぎの皮が一枚一枚剥かれていくように物語は着々と進行していく。過去の回想シーンは松本清張もののような寂寥感があり、ちょっと昭和テイストのノスタルジーを感じさせる。ただ、ミステリーとしての高揚感は今一つに感じた。浅居博美が父親を殺さなければならなかったその心情は共感できなかったし、その父親が短い時間で娘が殺した男と入れ替わり、十数年にわたって逃げおおせたことも現実的には不自然な気がするし、突っ込みたくなるような部分は意外に多い。それは、所詮は‘お話’なのだから仕方ないことなのだが、物語の比重を過去に置き過ぎたのが不満を大きくしている一因なのではないかとも思った。また、‘時も場所も超えた親の愛情’がテーマと言えるだろうが、あまりに特殊な設定ゆえか胸に迫るものがあまりなかった(そもそも、うつ病でこのままでは子供を殺しかねないと思った母親が家出するという設定が嘘くさい)。ドラマとしては喰い足りない。 
 
物語としての不完全燃焼を埋めたのは、やはり演者の力によるものだ。加賀恭一郎のキャラクターがどんなものなのかはドラマを見ていないのでよく分からないが、マザコンを自称する中年刑事を演じる阿部寛はやはりさまになっている。そして彼以上に、対峙する松嶋菜々子の演技は白眉の出来。彼女のちょっとぽっちゃりした頬がおばさんチックで、いい感じの疲れた感が出ていて味がある。役柄は元女優の設定だが、嫌疑に対してのリアクションも大根役者風情で、そういう浅居博美の拙さをうまく表現していたことに感心した。それほど上手い役者という認識はないので、それがむしろはまったのかもしれない。確かに松たか子ではあざとすぎる配役になってしまうだろう。
 
久々の邦画だったが、それにしてもYahooのレビューは高すぎる。東野ファン、TBSドラマファンが高めにつけた結果だと思われる。見て損したとは言わないが、この手のシリーズものの映画版はアニメも含めて要注意だ。

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