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June 15, 2017

メッセージ

第89回アカデミー賞作品賞、監督賞、脚色賞、美術賞、撮影賞、編集賞、音響編集賞、録音賞の各部門にノミネートされ、結局音響編集賞を受賞した、ハクがついてるのかいないのかよく分からない作品。監督のドゥニ・ビルヌーブはブレードランナーの新作にも抜擢された新進気鋭の鬼才。結構期待値は高かったのだけれど、途中でウトウトしてしまった。(ネタバレ)
 

Arrival

原作は(というより設定やストーリーの骨格だけもらったような感じ)アメリカのSF作家テッド・チャンの短編『Story of Your Life(あなたの人生の物語)』。鑑賞前に、原作と映画とのギャップについて語るブログを見てしまったので、短編ということもあって、珍しく原作を読んでからの鑑賞となった。しかし、原作自体がやや難解(内容も書き方も)で、映画は映画で異なる解釈をしているようで、原作に縛られる必要もなく、原作の意を汲み取っていないと怒ることもなく、別にそれはそれだろうと思った。ただ、それにしても退屈な映画だ。撮影、美術、音響などのオスカーにエントリーされるだけあって、映像音響周りはとても凝った作りだが、さりとて映像的な華やかさはなく全編地味。主役のルイーズ(エイミー・アダムス)もパートナーのイアン(ジェレミー・レナー)もこれまた地味。中途半端に原作を読んでしまっていたことも一因だろうが、映画としてのドラマ性が弱いように思う。異星人とのコンタクトものでは『未知との遭遇』があまりにも有名だが、同じカテゴリーでも全くワクワク感がないのはいかがなものだろうか。
 
『メッセージ』という邦題にしてはメッセージ性に乏しい(映画の原題は『ARRIVAL(到着)』)。結局、時制のない世界の住人である‘ヘプタポッド’の存在意味と、ルイーズが彼らの文字を解読=習得していくことで彼らの無時制力(≒未来を知る力)を手に入れたことがすんなり理解できないと、この作品は?がつくだろう。終盤言葉として‘未来を知る力’が出てくるのでわかるといえばわかるのだが、何か唐突な感じがする。その意味で、ヘプタポッドの描く文字についての説明が、劇中少なすぎるようにも思う。ただそこを掘ってしまうとそれこそ眠い映画になるだろう。その匙加減は難しいところだ。
 
未来を知って選択を変えるかというルイーズの問いこそが主題ではあるが、ルイーズが娘を失うことで被る悲しみが共感されないので、この言葉が差し迫って聞こえないのが残念だ。断片的な映像演出以外のやり方はなかっただろうか。ルイーズがヘプタポッド文字を習得することと、未来視力とのつながりをもう少し分かりやすく映像化することはできたはず。この辺、変に原作を意識しすぎて分かりにくくしている感じがした。
 
この映画だけ見てしまうと、ブレードランナーも要注意かな。

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