« 形単影隻 | Main | ファンタジーサッカー2017 第14節 »

June 02, 2017

マリアンヌ

原題は『ALLIED』(連合国、似た者同士という意味)。第二次世界大戦を背景に、カナダ人諜報員マックス・ヴァタン(ブラッド・ピット)とマリアンヌ・ボーセジュール(マリオン・コティヤール)の究極の愛を名匠ロバート・ゼメキスが切なく描く。モロッコのセクションでは名作『カサブランカ』へのオマージュが織り込まれており、当時のファッションが主役2人を引き立てる。2人の演技、特に表情は最大の見どころだ。(ネタバレ)
 

Photo

ストーリーは直線的で結末も流れの中から予感できる。しかし、終盤に向かうにつれて伏線が見事に回収され、その紐解きだけでも思わず唸ってしまうほどシナリオの完成度は高い。物語の導入でマリオンがマックスに言ったスパイの極意<仕事を上手く運ぶには感情に素直になること>が、終盤になって効いてくる。マリアンヌの愛情に彼女がスパイだったことを見抜けなかったマックス、そしてマックスを本当に愛してしまったがゆえに自ら死を選ばなければならなくなったマリアンヌ、この皮肉な結末は最初から予知されていたわけだ。
 
しかし、彼女のマックスへの愛情は本物だったのだろうか。彼女の自死を持ってそれは証明されるはずなのだが、それでもなお疑わざるを得ないのはなぜだろうか(マックスにピアノを弾くことを強要され正体がばれた時の許しの請い方が不自然極まりなかった。遺書には家族に対する愛情が綴られていたのだが)。それだけマリオン・コティヤールの演技は謎めいていた。彼女がスパイであることを承知して改めて彼女の演技を見てみれば、役としての演技と俳優としての演技とが相まって、演技自体の凄みが増してくるのだ(このメタ演技は『サイド・エフェクト』のルーニー・マーラも凄かった)。
 
対するブラピことマックスはわかりやすい。抑えていても感情がどうしても表に出てしまう。マリアンヌにスパイ容疑がかけられていることを聞かされた後の表情の微妙な変化で、ブラピは完ぺきな演技を見せてくれる。ブラピはもともと内面にナイーブなものを抱えるキャラクターを演じるのは意外と上手いと思っている。今回のマックスははまり役だ。とにかく2人の演技に引き込まれること請け合いである。

|

« 形単影隻 | Main | ファンタジーサッカー2017 第14節 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/77466/65282673

Listed below are links to weblogs that reference マリアンヌ:

« 形単影隻 | Main | ファンタジーサッカー2017 第14節 »