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June 28, 2017

22年目の告白 私が殺人犯です

チョン・ビョンギルの2012年作品『殺人の告白』の日本版リメイク。浜口倫太郎氏が、帝談社の編集者・川北未南子の視点から小説化している。監督は入江悠。日本ならではの時効法制成立のタイミングをからめ、過去の連続殺人事件の真相を明らかにしていく。(ネタバレ)

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‘少年A’が当時のことを本にして刊行したことが話題になったのは記憶に新しい(それも熱はあっけなく冷めてしまったが)。現実と同じような成り立ちで、時効が成立した過去の連続殺人事件の真相を真犯人と名乗る男が、手記を本にして刊行するところから物語は始まる。罪に問われないからと、ぬけぬけと公衆の面前に姿を現し、出版することで金もうけをしようとする殺人犯の偽善に対して、賛否が巻き起こるのも現実をそのまま映している。誰もがこの真犯人・曽根崎雅人(藤原竜也)憎しと思うだろう。その憎悪が高まるほど、この作品は成功するのだ。
 
振り返って、曽根崎が「まだ足りない」と何度もつぶやくその意味が分かった時、入江悠にしてやられたと思うだろう。22年間、真犯人がその殺人衝動を完全に抑えきっていたことにはちょっと疑義を挟みたくなるのだが(さらに、なぜあの5+1人が被害者として選ばれたのかは謎のまま)、それでもストーリー、シナリオは完ぺきだった(時効は成立せず真犯人は捕まるということは、この手の物語では想像しやすいエンディングであるし、その方向ではあったけれど、最後の最後で斜め上を行く結末が用意されていて、またそこでうなってしまった)。

そして、この‘騙し’の演技をしれっとやり抜く藤原と伊藤の演技力に、またやられたと思うのだった。特に藤原が本当に‘作られた顔’のような表情-ちょっと動きがぎこちなくあまり動かない-で演技するところなど、こだわりはすごかった。個人的には、岸美晴役の夏帆が意外といい感じだったのが発見だった。岩城滉一も、もうこういう役どころがはまる歳になったんだなぁと感慨深い。仲村トオルは‘目の演技’が秀逸だった。スタジオにいるところからずっと‘行った感じ’なのが、その裏側に潜む狂気を何気に表していた。みな演技に対するこだわりは半端なかったと思うのだ。
 
映像的にはちょっと正視に堪えないシーンもあり(R指定かかってないんだろうか?)、日テレが制作しているので、地上波放送はどうなるんだろうかとか、変なことが気になったりもした。とにかく、シナリオと役者がかみ合った秀作だ。

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