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March 05, 2017

それでも町は廻っている第16巻

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それでも町は廻っている  第16巻/石黒正数
青年画報社 ISBN 978-4-7859-5959-3
 
歩鳥たちの卒業を機に、この作品も店じまいすることとなった。本巻は店じまいのための回収・撤収作業に終始していて、本来(従来)の『それ町』とはちょっと趣が違う。確かに個々の話は謎解きテイストではあるけれど、これまで出てきたエピソードの顛末を描いているものが多く、作者の心残りを急いで拾っているような感じだ。そして、お得意のメタ話で終演となった。エピローグでは、いっぱしの大人になった歩鳥の姿が描かれていて、あのまま大人になるわけでもないのだなと、作者の歩鳥というキャラクターに対する思い入れが意外とまともでまじめだったことにちょっとした違和感を覚えたりもしたのだ。形式ばった終わり方というのは、いい意味でも悪い意味でも、読者及び作者自身が『それ町』から卒業するための儀礼として必要だったのかもしれない。ただ、歩鳥のキャラクターからすれば、綺麗に締めず、放り投げて終わりでも、いや、むしろその方がよかったのではなかったかと思ったりもするのだ。
 
日常系のコメディがロングランするのは、キャラクターと世界観の魅力が大きく影響する。その意味で、この作品にもその素養は十分あったと思う。歩鳥がばあさんになるまで見てみたいとは、この作品の初エントリーで書いたことだが、サザエさんやこち亀や数多のギャグマンガとは違って、ちゃんと時間が流れていたということに、改めて驚いたりもした。作者のあとがきを読むにつけ、作品自体上限にきていたのかもしれない。逆説的に時間のフレームをこの巻に向けてはめ込んだと見ることもできる。何が直接的な作品の終了を促したのかは知る由もないが、この手の作品の終わらせ方の難しさ(サンレッドの時もちょっと感じたのだが)を改めて感じさせられた。いずれにしても、終わってしまって悲しく寂しいことに違いはない。

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