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November 05, 2015

キングスマン

スパイ映画といえばそうなのだが、007やM;Iとは全く異なるブラックユーモア満載の作品。いたるところに伏線が張り巡らされ、すべてがきっちり回収されるシナリオの構成は見事の一言。その設定も無理がなく理に適っている。観ていてすごく気持ちいい。テーマは青年の自立であり、とてもオーソドックスなものだが、そこに派手なスパイアクションを絡めることで稀代のエンタメ作品に仕上がっている。実際、劇場でげらげら笑ったのは久しぶりだ。もしかしたら、本年1番のお気に入りになるかもしれない。(ネタバレ)

Kingsman全編いちいちおしゃれである。音楽もファッションもセリフも‘殺し方’さえもスタイリッシュである。最大の見せ場は世界中の要人の頭を爆破するシーンで、虹色のきのこ雲を次々と打ち上げる映像センス、音楽も含めた美的感覚には参ったとしか言いようがなかった(あれをリアルでやってたらただのグロい映画で終わってしまう)。世界の人々を救うために(&自分たちが助かるために)人類を裏切った世界の要人の頭を容赦なくためらいもなく吹き飛ばす感性=アイロニーがまた笑わずにはいられない。そして、ミッションを終えたばかりのエグジー(タロン・エガートン)が幽閉されていた北欧の某王女様の尻の穴に突っ込む大団円に至っては、よく不敬罪か何かで訴えられないものだと感心してしまった。

演出の部分では、女秘書のガゼル(ソフィア・ブテラ)の戦闘シーンが印象的。両足義足(CGのようだ)に仕込まれたブレードで切り刻むアクションはちょっと『キル・ビル』を思い起こさせる。そういえば、ストップ&スローモーションを多用した教会の虐殺シーン(BGMはレイナード・スキナードの『フリーバード』だったか)もなんとなくタランティーノちっくなところがあり、多少影響を受けているのかもしれない。キャストではなんといってもサミュエル・L・ジャクソンだ。人類抹殺をもくろむエコロジストにしてIT富豪のヴァレンタインをポップに演じている。この悪役、考えるスケール感とかちょっと頭悪そうなところとか、イギリス側から見るアメリカ人のステレオタイプ(ちょっと揶揄した感じ)なのかもしれないと思ったりもした。英国紳士を地で行くコリン・ファースもまたいい味を出している。やさぐれていたエグジーを時に厳しくときに優しく、まるで父親のように導いていく。とにかく、いろいろな要素がいろいろなところに組み込まれているので、それらをいちいち見つけるだけでも楽しくなってしまう。その意味で、『キングスマン』は最近ではあまりなかったすぐにもう一度見たいと思える作品なのだ。

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