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November 30, 2015

2015年シーズン総括

まだ天皇杯は残っているが、リーグ最終戦でミステルがあのような発言をし、さらには後任監督の名前がすでに出始めてしまっている状況なので、早めに振り返り、新監督に求めるところを明快にしておきたいと思う。

2シーズン制になったとはいえ、通年で4位および勝ち点63はクラブ史上最高成績でシーズンを終了した。しかし、最終戦引き分けたためにCS進出を逃してしまい、悔いの残る終わり方になってしまったのは非常に残念だ。ただ、その好成績に引きずられてなのか、前半戦の武藤人気が効いたのかは定かではないが、観客数は1試合平均28,785人、前年比+3597人(114.2%)と大幅に伸長し、これまた過去最高を更新している(これまでは2005年の27,102人)。数字だけ見るとなんだかすごく上手くいっていたようなシーズンに見えてしまうが、その内容は実際どうだったんだろうか。

①守高攻低
得失点差は昨年の+14から+12に2点減っている。失点は33ままなので、得点が2点減ったということ。昨年挙げた課題は結局解決されないままだった。それでも、引き分けが12から4に激減し、その分勝利数が5つ上乗せされている。つまりは少ない得点できっちり勝ち切るゲームが多かったということで、事実ウノゼロは8試合を数える(スコアレスドロー含め相手を完封したゲームは14にものぼる)。15年の東京は14年のサッカーをさらに先鋭化した結果ともいえるだろう。それは攻撃面でも如実に表れている。一つは前半戦武藤の得点力で勝ってきていること。一つは相変わらず太田のアシストで点を取っていることだ。昨年の振り返りで、武藤と太田を抑えれば東京は止められると書いたが、わかっていても止められないのが武藤と太田だったというわけだ。武藤は前半だけなのに終わってみたらチームのトップスコアラーに居座ったまま。前田は1stステージは全く機能せず、2ndに入ってやっとフィットしてきたものの爆発するまでは至らず。3番目のスコアラーは森重になってしまい、前線の得点力不足は今年も解消されることがなかった(スコアの多い順3人の合計も14年30点→15年26点と4点も減少)。また、全得点の約3割が太田のアシストから生まれている。直接FKからも3点決めており、彼の攻撃における重要性は昨年以上に増していた。

②絶対先制主義
先制したゲームの勝率はなんと94%。先取点が取れればまず勝てるという非常にわかり易くまた頼もしいチームであった。故に問題は、先制されたゲームをどうやってひっくり返すかなのだが、ひっくり返したのが2試合、追いついたのが2試合(昨年は逆転1試合、引き分け4試合)と昨年とあまり変わらない状況だった。まさしく攻撃力とリンクした問題で、これはつまり相手に主導権を握られてしまうと(がっちり守られてしまうと)崩せないということを表している。セットプレーからもぎ取れたゲームなどあるものの、中をきっちり占められてしまうとCKやFKからでもなかなか得点するのは難しかった。このような結果を受けるとシュート精度の話に陥りがちだが、それ以前のシュート意識や判断の遅さなど打つまでのプロセスにいろいろ問題があるように見受けられた。この辺は日々の指導がどうだったのかということだ。攻撃の引き出しは明らかに少なかった。

③4-3-1-2と4-4-2
システムは14年と変わらず4-3-1-2で重心後ろ目ではあったのだが、前年と違って1stは梶山がアンカーに入ることで前線へのパス供給にバリエーションができていた。特に大きなサイドチェンジなどが効果的だったように思う(無理な王様パスも結構あったけど;)。しかし、梶山が怪我で退いてからは再び重心が後ろになり、代わりに入った高橋は14年よりはプレーが前向きになり不安定さは徐々に解消されてきたものの、ゲームを仕切るだけの器量は彼にはなかった。米本も同様で猟犬の域をでないままだった。ボランチの停滞は来季に向けての重要課題の一つだ。4-4-2はバランス重視でコンパクトな陣形で攻守にメリハリをつけるケースでよく使われていた(後半押し込むときはサイドを高く上げ、守りを固めるときは2ラインのブロックを維持する)。とはいえ、攻撃は左サイド偏重は変わらず、太田のアシスト数は昨年以上に増えている。3-4-2-1システムに比べてもSBの移動距離は格段に多い。その負荷の中でよくこれだけの結果を残したものだと感心する。年間MVPを選ぶとすればやはり太田以外にはないだろう。太田頼みならばシステムも3-4-2-1という選択だってありだったのではないだろうか。

④ヨッチロスと外人不作
やはり武藤が抜けた穴は大きかった。得点王を狙えるだけの力は十分にあった。その戦力がいきなり抜けるのだ。厳しいに決まっている。だからこそ即席で攻撃力をアップできる外国人選手に期待したのだが、取った2人とも揃って不発では、お金を残していってくれた武藤も浮かばれない。OZ代表という折り紙付きのバーンズは結局2得点と寂しい限り。サンダサに至っては無得点だ。エドゥはフィッカデンティに嫌われて出されてしまったというし、強化部はいったいどんな基準で外国人選手を見ているのだろうか。たとえば、広島のドウグラス(徳島からレンタル)は今年大化けした。灯台下暗しとはこのことだ。まだ結構身近にいるかもしれない。せっかく枠があるのだから使わない手はない。育成という側面もあるが、それはまた別の話だ。得点力不足の特効薬として外国人選手の獲得は、来季に向けての最重要課題だろう。

⑤カンテラ天国
今季アカデミーの選手たちがスタメンをにぎわせた。松本戦では先発7人がアカデミー出身者で占められた。育成に力を入れてきた一つの成果だ。そして、大学経由とはいえアカデミー出身の武藤が移籍金を残してドイツに旅立っていった。チームの戦力的には厳しい話だが、クラブ全体としてはいい話で、クラブがいい方向に向かっていることの表れだろう。湘南に奉公に出ていた丸が戻ってきて吉本を押しのけてスタメンに定着し代表にも呼ばれるようになったり、拳人が終盤はレギュラースタメンに定着したり、相変わらず伸び悩んでいる選手はいるものの、カンテラがチームを支えているという状況は喜ばしいことだ。畑尾や宮阪も他チームの中軸選手として頑張っているし、これからも継続していい選手を輩出していってほしいと思う。

さて、フィッカデンティのロジックを先鋭化していった結果年間4位までは到達することができた。しかし、最後の最後で課題となっていた攻撃力がネックとなってCS進出を逃した。だからフィッカデンティ以上を求めるのであれば監督交代は必然である。ここまではいい。しかし、‘だから来季はJFKに指揮をゆだねる’とはどういったロジックでそうなるのかわからない。チームをJ2に落とした張本人である。その後甲府の指揮を執り、乏しい戦力ながらもJ1残留を連続して果たした実績を残している。がそれにしてもだ。今欲しいのは、攻撃と守備の高次元でのバランスを実現できるチーム作りのノウハウ、スキルであり、優勝するためのメンタリティーであり、その経験値を持った人材ではないのか? JFKがそれらを持っているわけではないし、そのポテンシャルがあるとも思えない。フロントにも確証はないだろう。漠然とした期待、悪く言えば身内の贔屓目。フィッカデンティの方向性とクラブの方向性が乖離してきたという話は漏れ聞くし、当然成績に応じたサラリーアップがネックになっているということもあるかもしれない。袖にするならするにしても、もう少し方向性がわかり易い、もっと支援者の賛同が得られる人選をすべきではなかったか。周りのサポたちもネガティブな反応が多い。年チケの継続率が落ちないといいが。

そうはいっても人事はほぼ決まりのようだ。支援者がああだこうだ言ったからといって覆るものではない。少なくとも補強すべきポイントは明快なのだから、まずはそこを注視してこれからの編成を見ていこうじゃないか。

【追記】それにしても、ユニが赤のチームにどうしてこんなにも弱いんだろうか。浦和、鹿島に2連敗、あの名古屋にも1分け1敗と勝ててない(未勝利はあと横浜=1分け1敗だけ)。来季の新ユニは赤の割合が増えているのだが(管理人さんによれば赤の面積の大きいユニの時は成績が良くないとのこと)、赤アレルギー解消のためなのだろうか。

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