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July 10, 2015

女子サッカーという文化【追】

勝ち続けなければ注目が得られなくなることが怖いという宮間の発言がすごく気になった。彼女たちはそんな気持ちでサッカーに取り組んでいたのかと思うとちょっといたたまれなくなる。しかし、世の現実はその通りだろうし、彼女たちができることはそれぐらいしかないのもまた事実。常勝が当たり前になってしまえば、逆にハードルは上がり、優勝に絡まなくなってしまった途端世の中の熱は一気に冷めるだろう。やはり、勝敗に依存するやり方は文化を育てるにはアプローチとして相応しくないと思う。人々が勝利に求めるのは一過性の娯楽的なものでしかない。結果は一瞬だ。よほどスポーツが好きな人であれば別だが、そのプロセスまでは見ないし、あまり関心もない。しかし、文化は結果ではない。多くの積み重ねの結果として現れるものであり、結果ありきではない。努力や苦労がその結果にかかわらず尊いと評価されることこそが‘文化’化される一歩なのではないだろうか。そして、それを価値として理解してくれる人を増やしていくことが重要なことだ。それによって賛同者、支援者は増えていき、その延長線上に経済的なスキームが成立するのだと思う。スポンサーによって一時は盛り上がったとしても、撤退したら何も残らなかった。そういう話はごまんとある。Jリーグでもそういった憂目に遭いつつも、しぶとく根を張り生き残ってきているクラブがいくつかある。存在することに意義がある。そこを突き詰めないと、いくら勝ったって何も残らない。

男女両方が活躍するスポーツを見ていくと、女子の方が目立っている競技は当然存在する。たとえばゴルフ。海外ツアーで常に上位で活躍する選手はいないが、国内ツアーはそれなりに盛り上がっている。横峯など華のあるプレーヤーが牽引している。たとえば卓球。こちらは世界大会で常勝中国に対してかなりいいところまで迫ってきていることが大きい。当然福原等選手の人気もある。たとえばバレーボール。実力は男子よりは世界に通じるところがあり、選手の人気もある。ただ、これらの競技に共通するのはTVのバックアップがあるということだ。ルックスのよい女子選手が懸命にプレーする姿は絵になる。フジが今後もなでしこには注力するといっているらしいので、世の中に対する露出はある程度確保できるはずだ。(女子テニスにはその要件が備わっていないが、裾野は広い)

でも、本質はそんなところにはない。日本のゴルフ人口は1000万人ともいわれ、そのうち男性が約8割だが、女性の愛好者も200万人存在している。卓球人口は同じく1000万人、競技人口も25万人を数える。バレーボールは協会の登録数で女子約30万人、男性登録者を大きく上回っている。ママさんバレーなど裾野は広い。翻って女子サッカーは2013年のJFA登録の女子チームに所属する選手数はたった2万5千人。男子チームに所属する女子はカウントしていないがレアケースだろうし、JFAに登録していない草チーム数だって、社会的に受け皿がないのだからほとんど存在していないだろう。DOのスポーツになっていないのだ。現状、エンタメコンテンツの一つにしか過ぎない(だからTVも取り上げてくれるが、コンテンツとしての魅力がなくなれば見放されるのが常)。これが女子サッカーの現状だ。勝ち続けることと競技人口が増加することには何の因果関係もない(少数精鋭で勝つというやり方もある)。なでしこの活躍に感動して、女子サッカー志望者が増えることは十分考えられる。問題はそういう少女たちをどこで受け止めるのかであり、そこが整備されなければ状況は何も変わらない。受け皿と言っても、じゃあ明日からというような簡単な話ではないのだ。金も時間もかかる。つまり意地悪な言い方をすれば勝ち続けたって周りが変わらなければ何も変わらないということ。核心は協会が今後女子カテゴリーをどうするつもりなのかにすべてかかっているということだ。そして、協会の動きだけでは限界があるわけで、市井の草の根レベルで女子サッカーチームが活動できる場がいくつも自発的に生まれていくことが望ましい。そういうブームが起こってほしいものだ。そうなれば、彼女たちなでしこの苦労も報われるというものである。

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