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December 26, 2014

寄生獣

月刊アフタヌーンで連載が始まったのが1990年(初回から3話まではモーニングオープン増刊1988年~1989年で掲載)。創刊当時のアフタヌーンを支えた作品の一つで、未知の生物が人間の頭を乗っ取り人を食うという基本設定とサスペンスホラーとも一線を画したストーリー展開で徐々に人気を拡大していった。四半世紀も前の作品であるにもかかわらず、そのテーマ性と設定の斬新さは色あせず、むしろ後進国の爆発的発展に伴う地球資源の枯渇と温暖化の進行が切実な問題として浮上してきた今だからこそ映画化されたということなんだと思う。ダラダラと巻数を伸ばすマンガが多い中、10巻というコンパクトなサイズでドラマは完璧に完結する。濃厚な10巻分のストーリーを前後編とはいえ4時間以内にさらに圧縮するのは並大抵なことではない。原作をスポイルしがちな映画化だが、本作はいかに。(ネタバレ)

Photoで、実際鑑賞してみて悪くはないというのが率直な感想。前後編の尺に収めるために、あえて余分な(切っても主題に大きな影響を及ぼさない)設定・パートをあらかじめ捨てた脚本に拍手を送りたい。だから本作では新一は母子家庭だし、加奈や宇田も出てこない。辻褄あわせに腐心の後が見られるが、破綻しているわけではないので、原作を読んでいなければすっきり話は流れていく。VFXもなかなかに素晴らしい出来で、パラサイトの頭の変形や戦闘シーンなど違和感がない。強いて難があると言えばキャスティングだろうか。新一役の染谷君は演技自体は素晴らしいが、そもそも原作のイメージからはちょっとずれている。特にミギーと混ざり始めたときの凄みを演じるにはポテンシャルが低い。もう少しシャープさがほしい。橋本愛演じる村野里美もちょっとおきゃん過ぎでがさつな印象を与える。新一との距離が離れていく様を演じるには元気が良すぎるのだ。ミギーの声も今ひとつしっくりこない。アニメの平野綾の方がまだ雰囲気があると思う。どこか無機的な質感がほしいのだが、阿部さんだと彼のキャラクターの余分なところまで役(声)に入ってきてしまっているように思う。周辺の大人の演者たちは安定しているので(深津さんGJ)、肝心の主役周りがやや陥没して見えるのがちょっと残念だ。とはいえ、数多あるコミック原作の映画化作品の中では及第点と言える。この勢いを果たして最後まで持続できるかどうかが後編の見所となろう。「後藤」との死闘はいうまでもないが、一番の肝である浦上をどう描くかは最大の関心事である。

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