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November 27, 2012

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q

直近日テレで劇場版前2作を再放送した。関心があればそこで復習しつつ、綾波レイを助け出したシンジ君のイメージを保持しながら普通は観るだろうな。(ちょっとだけネタバレ)

しかし、その余韻を見事にぶった切り、その観る側の準備をすべて吹き飛ばすことから物語は再スタートするのだ。‘破’のレビューでも触れたけれど、オリジナルから未知の領域に突入するための手続きとして、17年前のエヴァンゲリオンを超越する必要があったということなんだろう。庵野さんが本当に描きたかったことがやっと始まったということでもある。それは冒頭の巨神兵の特撮からも見て取れる。彼の原型みたいなものがそこにあるのだ。オリジナルが放送された1995年は、3月に地下鉄サリン事件が起こり、ノストラダムスの予言はまだ効力を持っており、世界終末と再生を身近に感じた時代である。庵野さんが好きな宇宙戦艦ヤマトも地球文明の滅亡と再生がテーマだ。そして、紛れもなくエヴァのテーマもそこにある。
碇シンジが作中で置かれた状況にオーディエンスをも巻き込み、情報謝絶して関係をフラットにしてしまう。リセットと言い換えてもいい。作品世界も赤い海と青い空の2色によって抽象化され、いわゆる俗世界から完全に切り離してしまった(メカの異様なまでの描きこみは、作品世界にリアリティ=現実世界とのつながりを持たせるための表現上のギミックなんだろう)。これから語られるのはまさしく神話=創世記だ。思えばタイトルに刻まれた‘Q’とは、死海文書が発見されたクムラン(Qumran)のQでもある。本作のお土産は綾波レイの秘密ぐらいなもので、依然謎は多い。物語の進め方は独善的で、観る側にいちいち情報を与えない。とにかく突っ走る。どこまで行くかは庵野さんのみぞ知るだ。でも、解釈の幅がある作品は嫌いではないよ。
さて、予告編がきっちりできていたこともあり、続きは案外早く観られるかもしれない。ただ、次で終わる保証はなく、なんとなくだらだら続きそうな感じもする。オリジナルの最終2話が、この作品の核であり続けるのであれば、おめでたいシンジ君に、本当におめでとうといえるときが来るはずだ。本当に来るのかな?

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