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December 16, 2011

機動戦士ガンダム THE ORIGIN

Gundam_origin23機動戦士ガンダム THE ORIGIN 第23巻/安彦良和

角川書店 ISBN978-4-04-715770-5

完結を迎え、何か新たな思いが沸くかなと思ったけど、淡々とページを繰るだけだった。セイラやアムロの脱出プロセスが多少違うぐらいで、ラストに対する本作独自の解釈が加えられるわけでもなく、物語自体は予定調和して終了した。テレビアニメのほうがもっとドキドキしたのに、単に結末を知っている以上の喪失感があったのはなぜなんだろうか。

いわゆる‘ファーストガンダム’制作当時あいまいになっていたものを10年かけて作画の安彦さんがこの作品を通じて見直してきたわけだけれど、通巻してのハイライトは、やはりアニメ本編では語られなかった、ダイクン家の忘れ形見の生い立ちの部分と、モビルスーツ開発秘話だろう(第9~10巻)。何度読み返しても「シャア・アズナブル」の誕生には鳥肌が立つ。そして、本巻で明らかにされた、シャア=キャスバルのララァに対する気持ちや、最後の最後キシリアを討ち果たす気持ちが、彼の母親に対する感情に根ざしていたという解釈は、シャアという稀代のキャラクターに更なる厚みをもたらした。それが本作の最大の成果だと思う。
一方で、オリジナルアニメとの微妙な解釈の差によって多少の違和感を生み出すところもあった。特に本巻においては、ガンダムがドッキング方式を取らない設定でいったために、アムロの脱出プロセスがぎこちなくなってしまった。辻褄を合わせるORIGINというのもなんだかなぁである。全部なぞる必要があったのか。

さて、これが再びアニメ化されるとのこと。本放送から30年以上経って、いまさらながらやらないといけないことなんだろうか、という思いのほうが強い。そもそも、セイラさんもブライト艦長も、もうこの世にはいないのだ。どうせやるなら声優は全とっかえぐらいでやってもらいたい。それでも新しいものをORIGINとするにはあまりに抵抗がある。極端な話、これは安彦版ガンダムであり、オルタナティブな作品としてしかみれないだろうなぁ。変になぞるぐらいなら、いっそのことラストも含めてまったくの新解釈にしてもらったほうがよかったのかもしれないし、その意味ではユニコーンのほうがよほどましだと思う。

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