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November 03, 2011

電人ザボーガー

テレビ版は1974年~1975年、フジテレビ系列で放映された。往年の名作というよりは迷作の部類だろう。今回リメイクした監督の井口昇はAV出身で、一般作品では『片腕マシンガール』とか『ロボゲイシャ』とか、そんな際物を得意としている。「ロボット・メカ」と「女」というのは彼の基本モチーフのようで、本作も前2作ほどグロくはないが、系譜は継承しているように思う。映画館はファーストデイということもあって満席。中には禿げたおやじやスーツ姿の中年の姿も目立つ。70年代、リアルタイムでヒーローものをわくわくしながら見た人であれば、誰でも楽しめると思う。(ネタばれ)

Photo 演出もストーリーも昭和のノリをそのまま持ち込み、オリジナルよりも多少ギャグのエッセンスを強めにしつつ、うまくリメイクしていると思った。当時のなんだかわからないけどすごいという脈略のなさが、この世界観であれば現代でも通用してしまう。しかし、ヒーローものにあって、ストーリーは勧善懲悪ではない。悪徳議員を守らなくてはならない使命に対して、主人公・大門豊(古原靖久)は苦悩する。そして味方を裏切ってしまうのだが、その結果ザボーガーを失い秘密警察としての身分も失ってしまう。25年後、その悪徳議員と世界を破壊しようと企む悪ノ宮博士(柄本明)は繋がっていたことが明らかにされる。大門豊は戦ううちに敵であるミスボーグ(山崎真実)を愛するようになり、2人の間にできた子供たちが、ふたたび大門(板尾創路)を戦いの場に向かわせるのだ。正義と悪、敵と味方の反転。単なるリメイクではない、しっかりしたドラマが仕込まれている。

特撮部分で言えば、ロボットはさすがに着ぐるみだが、ザボーガーやブラックホーク(敵役のバイク型ロボット)の変形シーンは、CGによってスマートかつかっこよく再現されている。ストーリーの流れを壊すことなく、むしろそのスピード感で加速させている。特撮のかっこよさ、言い換えればスタイリッシュな部分に対して、登場人物はみな暑苦しい。その暑苦しさ、無駄に熱いところが昭和のアクションヒーロードラマであり、ノスタルジーの源泉であり、笑いのつぼでもある。特に竹中直人は楽しそうに演ってたなぁ。

さらに、重要な登場人物である女性(正確に言えば女性型サイボーグ)がシュール。そしてなぜか昭和の香りが漂っている。主人公と馬鍬って子供を作るとか、究極破壊兵器のコアとして乗せられ、巨大な女子高生が街を破壊しまくるとか(携帯電話が殺人電波ってwww)、とにかくむちゃくちゃ。その辺りは井口監督ならではということなのかな。また、各所にオリジナル作品のシーンをオマージュとして取り込んでいるところ(作品のエンドロールでテレビ版の関連するシーンをダイジェストで紹介している)などは、当時のファンにとってはたまらないだろう。全編ニヤニヤしながら観ていられたのではないだろうか(オイラはそこまでのあれはないのでわからないが)。

作品の核は第2部(第1部から25年後の設定)、主人公・大門豊が47歳の糖尿病を患うおっさんに成り果てたところにある。落ちぶれたヒーローが、子供たちを救うためにザボーガーとともに再び立ち上がる姿は、今のもやもやした世の中に対する、あるいは元気をなくした昭和世代に対するエールなのだ。そのメッセージを共感性高いものにするために板尾創路というキャラクターを持ってきたのは慧眼、そのキャスティングは完全に成功したといえる。シュールな芸人として評価される板尾氏のもつ独得の存在感=浮遊感が、浮世離れした暑苦しくも世間知らずの20代の大門豊を47歳として現代に降臨せしめるのだと思う。この作品を観て、なんか明日からちょっと頑張ってみようかなと思わせるには、藤岡弘でも宮内洋でもだめなのだ。

面白いことは間違いなし。ただ、これに1800円かけるかどうかは個人の好みの問題だな。

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