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September 18, 2011

探偵はBARにいる

原作は東直己の小説。札幌を舞台に大泉洋演じるしがない探偵が裏社会にうごめく陰謀に巻き込まれていく。ありがちと言えばありがちで、描写もちょっとグロいところもあり、正直あまりメジャー感というものは伝わってこない。ただ、逆にそれが大泉洋というキャラクターを見事にとらえるために必要な空気であったことは間違いない。(ネタバレ)

Barススキノのバー「KELLER OHATA」を事務所代わりに使っている探偵(大泉洋)は、コンドウキョウコと名乗る女から電話で仕事の依頼を受ける。南(中村育二)という弁護士に加藤(高島政伸)という男のことについて聞いてほしいという。10万円で請け負い1時間ですませた探偵はご機嫌で帰還するが、その途中謎の男たちに拉致され、雪原に生き埋めにされてしまう。危うく命を落としそうになった探偵は、おそらく指示したであろう南に報復するため、自らこの事件にかかわっていくが、次第に明らかになっていく事件の裏に存在する圧倒的な勢力の前になすすべがなかった。

こう書いてしまうと身も蓋もないが、事実ストーリーはそういう作りになっている。探偵は依頼者を守ることができなかった。その情けなさ加減が、この作品のすべてであり、まさに大泉洋のキャラクターそのものなのだ。ガキの使いででもできるような仕事で息巻いて、一番の肝心要なときは、依頼者からその現場から遠ざけられてしまい、そのことに全く気付かない。これほど間抜けな探偵が、探偵小説の中に主人公として登場したことがあっただろうか。少なくともオイラには記憶がない。ニヒルでハードボイルドな探偵を気取りながら、上滑り空回りするなかでほんの一瞬見せる男としての気概。そして、懸命に強がって見せても結局人の命を救うこともできない、焦燥感、無力感。主人公である探偵に大泉洋はあまりにはまり役なのだ。札幌を舞台としてであればなおさらだろう。この作品は、大泉洋のための映画といっても過言ではない。

脇を固めるのは癖のある役者ばっかりだが、西田敏行の使い方があまりにもったいなかった。おそらく登場人物である‘霧島’の人柄を表すためには、西田敏行という役者としての「徳」を持ってくるのが一番効果的だったからだと思うのだが、なんでもかんでも西田さんに頼るのは良くないなと思う。探偵のアルバイト助手兼運転手を務める高田役の松田龍平は、初期のおやじさんのとぼけた感じがそっくりでちょっとびっくり。あと、最初前髪を下ろしていたので誰だかわからなかったが、殺し屋役をちょっと切れた感じで演じた高島弟も意外性があってよかった。話が浮かない分、役者のところでなかなか飽きさせない。

なんにしても、今の北海道・札幌のいろいろな意味での寒さが伝わってくる佳作である。

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