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February 04, 2010

キャピタリズム マネーは踊る

多くの奴隷を使い栄華を極めたローマ帝国も最後は滅びたのだぞとでも言いたげに、しょっぱなからアメリカと古代ローマ帝国を重ねてみせる。皮肉たっぷりだ。今回は、リーマンショック前後でアメリカに起きたさまざまな事象を切り張りしながら(恣意的ファクトのコラージュはマイケル・ムーアの真骨頂)、資本主義と民主主義について考える。

Capitalism

おそらく、アメリカのトップ企業の経営者たちはキリスト教徒ではないのだろう。キリスト教は人を罪に導く可能性がある欲望や感情を七つの大罪として教えている。「傲慢」「嫉妬」「憤怒」「怠惰」「強欲」「暴食」「色欲」。ムーアが糾弾する経営者や国の指導者たちはみな強欲で傲慢だ。住宅を金融商品化し、中で暮らしている人などお構いなしに売り払う。それが、2007年ぐらいにアメリカで起こっていたことだ。市民を搾取し巨額のサラリーとボーナスを手にする富裕層は、自分の資産を守り拡大するために、自分たちの都合のいいように規制を緩和させる。そのために政府に人を送り込むのだ。そこにもはや民主主義は存在しない。

公的資金を銀行や企業に注入し、それが彼らのサラリーに化けてしまう憤りは、日本の今の日航問題にも重なる。ただ、アメリカでは航空機パイロットの年収は4~5年目でも200万円程度らしい。学生は授業料をローンで調達し、1000万円の借金を抱えて社会に出るともいう。アメリカではすべてカネが解決する。アメリカンドリームと名づけられたニンジンを信じて人々は真面目に働き続ける。でも、そんなのは嘘っぱちで、這い上がるための機会すら用意されていない。資本家たちは株価のためにリストラし、大量の失業者が生み出されるのだ。日本はここで描かれるアメリカに比べればぜんぜんましに思えるが、それでも派遣労働者の問題や郵政民営化の問題は同じ危険を孕んでいる。

民衆がウォール街でデモをするシーンで、彼らは「恥を知れ」とシュプレッヒコールをあげる。家を追い出されトラックの荷台での生活を余儀なくされていた家族を地域住民が後押しして、銀行と警察を押し切り家を取り戻すエピソードが紹介される。〝抜けてしまった社会の底(by宮台)〟を支えるのは、やはり恥を知る謙虚さと、地域の人たちを互いに助け合う公共の心なのだろう。それは、社会主義的な統制ではなく、個人の誠意の集合によって形成される、ある意味本当の民主主義の姿なのだ。

日本人は、元々「恥」の文化を持ち、地域で助け合うコミュニティを運営していたし、その感覚を今でも持っている。今は不況だけれど、日本人としての矜持を保つことが、最終的には日本を立ち直らせるのだとオイラは信じたい。ムーアの映画は他山の石だ。

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