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October 29, 2009

BLACK LAGOON 第9巻

Black_lagoon_9BLACK LAGOON 第9巻/広江礼威

小学館 ISBN 978-4-09-157189-2

ロベルタの復讐劇は大団円にて完結。これだけドンパチ血生臭い舞台で、ハードコア版スリーピング・マッド・ビューティの話だったとはなんともロマンチックなことだ。それにしても、全体の印象としてはラグーン商会のエピソードというよりは、スピンアウトものといった趣。クライマックスにラグーンのメンバーは直接的に一切関わっていないところが本編のみそ。アニメ化もOVAでのリリースになるようだ。ロベルタに、ちぃと入れ込みすぎたね。

若様一行を送り、ストーリーを流すために入れ替わり立ち代り登場するレギュラーといい、やっぱり『ブラック・ラグーン』としては読み応えがない。“姉御”もチョロっと出てはボソッとつぶやき、エダももっと噛むのかと思えば水先案内するだけだし、ダッチの過去の経歴が偽であるみたいな小ネタをはさんだり、どうにもすきっとしないね。これは詰め込みすぎ。

それと、ストーリーに関して一点だけ引っかかったことがある。キャクストン少佐の実在モデルはいるのかどうかということだ。もしくは、それに類する症例がアメリカの戦争史のなかに存在したのか。今回のエピソードのなかで一番狂っているのはキャクストンだ。オイラはそう思う。現実に事例があるのであれば、キャクストンの役回りの必然性は納得できるが、あくまで作者の想像の域を出ないのであればちょっとばかし違和感が残る。キャクストンの“若様”に対する忠実ぶりは異常であり(たとえベトナム時代のトラウマがあったとしても)、彼の頼みだからといって自分の部下(過去の経験と違い優秀な部下たちだ)がみすみすロベルタに殺されていくのを黙ってみているなど、“軍人”であればありえない行動だろう。戦場に平常の感覚を持ち込むことによって生じる心のギャップをどこかで調整するにしても、これは心理学的にもどうなのだろうか。もし、彼が狂っているとしたら、ロベルタの狂気との対比においてそのことを強調することで、物語としての深みがもっと出たのではないかと思うのだ。それはつまり、「忠義」と「正義」の話なのだ。

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