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June 16, 2009

日本サッカー遺産

Soccer_heritage 日本サッカー遺産 -ワールドカップ出場舞台裏の歴史と戦略/山本昌邦
ベスト新書 ISBN978-4-584-12235-8

ドーハの悲劇以降、人間力がスタッフとして関わったワールドカップ、五輪、世界ユースなどで、どのような戦略(チームマネジメント)が展開されたかの一端に触れることができる。ファンからは見えないところで、いろいろ細かい気配りがなされているのには感心させられるし、歴代日本代表監督や主力選手たちそれぞれのこだわりエピソードも面白い。

ただ、やはり立場的なことがあるのだろう、それほど突っ込んだ内容にはなっていない。特に、ネガの話題は抑えられている。協会のボロをおおっぴらにできないのは当然といえば当然か。そのなかで、興味深いのはツネ様との対談のパート。ドイツの裏側でチームに何が起こっていたかが当事者の口から直接語られている。これに、もうちょっと具体的な個人名が加わると読み物としては相当に面白いのだがね。残念。まぁ、選手のクオリティや志向するサッカースタイルとともに、その力をフルに発揮しうる環境(選手のモチベーションやチームとしての一体感を含む)を整えることがいかに大事かがわかる。

やっと日本オリジナルなサッカーの形が見えてきたわけだから、これを最低でも50年ぐらいは継続してDNAにまで昇華していくぐらいの構えで臨んでほしいと思う。その覚悟が協会内部にあるかどうか。そしてそれが連綿と受け継がれていくかどうかでしょう。で、いつか本当に日本がW杯の決勝の舞台に立つようなことがあって、初めてこれらの経験は遺産として記録されるのではないかな。本書に記されていることは、まさに“昨日の出来事”。これらの経験を「遺産」と名づけてしまうセンスにこそ問題(勘違い)が潜んでいるように思う。

それにしても、これだけいろいろな現場経験を持ち、世界屈指の名将たちの仕事を間近で見てきているにもかかわらず、監督として一本立ちできていないのはなぜなんだろう。この人の不思議なところだ。一時期磐田で指揮を取ったときも成績は振るわず、日本代表のためにFWは日本人を使い続けるというクラブ監督としては失格発言もあったりで、一般的なサッカーファン層からはあまりいい評価は聞かれない。一体何がいけないんだろうかね。

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