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June 11, 2009

アルマズ・プロジェクト

まぁ、いろいろ観ている中にはこんな1本も魔が差したように混じってくる。どこに引っかかったかといえばまさに“矢追的”なところであって、実際そーゆー「映画」だった。その意味においては期待を裏切っていないのだが、このいかがわしさを楽しむには歳を取りすぎた。(ネタバレ)

Abb 旧ソ連のサリュート計画(有人宇宙ステーション)のうち軍事利用を目的としたステーション(2,3,5号)をАлмаз(アルマース)と呼んでいた。1973年~77年に実際に打ち上げられている。本作は、このアルマースがロシアの体制に移行してからも秘密裏に継続されていて、1998年、墜落したステーションのブラックボックスをウクライナの反体制過激派グループがロシア当局より早く回収し、その中に記録されていた映像を編集したもの、というドキュメンタリー的な設定になっている。作品の成り立ちはクローバーフィールドとほぼ同じで、映像の方も船内の固定カメラ+クルーの持ち込んだハンディカメラの2つの視点で組み立てられている。リアルっぽさを演出する手法としてはありなんだろうが、ノイズが多く、断片的な映像のフラッシュバックが多用されており、もしかしたら耐性のない人は気分が悪くなるかもしれない(クローバーフィールドほど画面は揺れない)。BGMもないし、映像作品としては見ていて退屈だ(オイラはところどころ記憶がなくなったけど)。

話のほうはありがちなSFミステリー。アルマズが銀河の中心部に向けてメッセージを発信し続けた結果、大量の二進法データがアルマズのコンピュータに送信されてきた。それ以降船内に異常が発生し、次々とクルーが死んでいく。なぜ彼らは死んだのか、そして二進法データの謎とは。軌道を外れたアルマズが大気圏突入するまで残りわずか。クルーを死に至らしめた未知の脅威に晒されながら、残りのクルーは大気圏突入を阻止することができるのか。てな感じ。

こうやって文字にしてみるとそこそこ面白そうにも思えるのだが、ドキュメンタリータッチで淡々と描くので、まったく盛り上がらないのだ。怖さがほとんど伝わってこない。逆説的に、音楽を含めた演出って大事だなと思うし、この映像表現では限界があるということも思い知らされる。クルーの死因(体内臓器が液状化しているとか、体に穴のようなものが開いているとか)や、終盤影のようなものがカメラに映っていたりとか、思わせぶりなことはいろいろ出すものの、肝心の答えは示されることがない。実に“矢追的”なのである。中坊だったらそうとうわくわくしただろうなぁ。いや、これがロシア当局から流出した本物だっていうなら、今でも相当興奮すると思いますがねw。

追記:最後に2012年までに解読しないと云々のくだりが出てくる。2012年はマヤ暦が終わる年で、フォトンベルトなどのオカルト話の源泉になっているらしい。最後まで“矢追的”。ノストラダムスで盛り上がったあの頃が懐かしい。

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