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February 09, 2009

予想どおりに不合理

Im000028 予想どおりに不合理/ダン・アリエリー 熊谷淳子訳

早川書房 ISBN978-4-15-208979-3

行動経済学という学問があるそうだ。経済学に沿っていえばより効率的な選択をするはずの人間が、現実社会の中ではどう考えてもそっちの方が有利にもかかわらずあえて不利なものを選んでしまうことがある。その不合理な人間の行動のなぜを明らかにしていこうとする。

例題:あなたならどのテレビを選ぶか(実際の家の状況は置いておいたとして)

①パナソニックの36インチ(69,000円)

②東芝の42インチ(85,000円)

③シャープの50インチ(148,000円)

この例題は、人は比較することによって相対的に判断しているという“相対性”の問題を示している。おとりを入れることで、購入意向を特定の商品に誘導することができる。この例ではインチ数のピッチに対して価格のピッチがずれているのが分かる。誰が見ても②の東芝製が“お買い得”に見えるのだ。

このように、人が物事(特に経済的なもの)を判断する際に持ち出される感覚的な基準の危うさをいろいろな事例と楽しい実験を用いて解説している。「6章 先延ばしの問題と自制心」は、どうやればスケジュールどおりに物事が進むかの参考になることが書いてあるし、「4章 社会規範のコスト」では、人にただ働きさせるための極意が書かれている。日常ありがちな場面で、なるほどこういうことなのかと納得させられることが多い。

自分自身のことは自分自身で決定していると誰もが思っているが、感情や社会規範や相対性などに影響を受けており、脳が無意識のうちにフィルタリングしているという。これは、『買い物する脳』にもあったように、脳に蓄積された経験情報が自動的に答えを導き出しているのを自分は自分で決断した(選んだ)と思いこんでいる状況と同じだ。そしてこれらのことには規則性がある、と行動経済学は言っている。こういった知恵は、意図的に利益誘導するようなときに応用できるかもしれない。ただ、知らないうちに他人の都合にそって行動をコントロールされているとすれば、それはそれでまた怖い話である。

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