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November 01, 2008

反米主義

Im000022 反米主義/近藤健
講談社現代新書 ISBN978-4-06-287956-9

確かに「反日感情」はあっても「反日主義」と言う言葉はない。なぜ、反アメリカは“主義”になるのだろうか。「アメリカ主義」を引いてみると、

Americanism

[名] 1 [U][C]アメリカ風;アメリカ人かたぎ[精神, 魂];米国特有のもの. 2 [U][C]アメリカ語法. ⇒BRITICISM 3 [U]アメリカ中心主義.

本書で扱われるアメリカニズムは、まさしくこの3[U]アメリカ中心主義だ。かつては憧れの国、夢の国だったアメリカは、最近では世界各国で人気が落ちてきている。それは、これまでアメリカが示してきたアメリカの力の多方面における凋落とシンクロしているように思える。日本でも、昔は何でもかんでもアメリカだったが、価値観が多様化するにともない、普通の先進国に成り下がったような気がする。

要は、“アメリカの積極的イメージは、イラク侵攻とそれにともなう自己否定的な行為によって、著しく損なわれた”(P169)からなんだろう。冷戦構造が崩れ、世界の警察を自称していても、結局自分の都合で戦争を起こし、他国を巻き込み、尻拭いも出来ずにいる。ブッシュが悪いといってしまえばそれまでだが、彼を首長として担いだのはアメリカ国民なのだ。呆れるばかりである。

アメリカは矛盾の国だ。多民族を受け入れながら、相変わらず白人至上主義が横行し、もっとも富める国でありながら、格差による貧困を抱え込む。民主主義を広めるためには武力行使も辞さない。単純に傲慢なのだ。その傲慢さが鼻につくのだ。アメリカのプラスの魅力が減衰し、その分誤魔化されていた本質が前面に出てきた。そんなところだ。

アメリカのやり口に反対する勢力が反米主義というわけだが、そろそろ日本も気づくべきだろう。新自由主義が日本を駄目にしてきたことがようやく分かってきたところで、まだ遅くはないと思う。どこかで方向性を変えないと、加速度的に悪くなっていくだろう。

日本は戦後、アメリカ的なものを政治、経済、文化あらゆる側面で“日本化”してきた。そして、「Japan as No.1」といわれるまでになる。1980年代の日本の成功をアメリカは徹底的に分析した。その結果、日本の強さの根源は「年功序列制」と「終身雇用制度」にあるということが判明する。日本を弱体化するには、この日本の強みである制度を破壊すればいい。ということで、“アメリカの忠実な犬”によって構造改革は断行され、日本はこうなったわけだ。

反米主義ではない。いまこそ、「日本主義」を立ち上げる時ではないのだろうか。

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