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August 11, 2008

3年で辞めた若者はどこへ行ったのか

Im000027_2 3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代
/城 繁幸 ちくま新書 ISBN978-4-480-06414-1

前作を引き継いだ形で、昭和のレールが途切れた「会社社会」に見切りをつけて、自分の道を切り開いている若者を紹介する。昭和の価値観を各章の見出しにしているところがわかりやすい。そこから外れていくことが現在の日本においてどのようなことになるのか、副題の“アウトサイダー”として解説するのだが、このあたりの読み方が本書の分かれ目。つまり、これらの価値意識が次世代日本のメインストリームになるのか、それとも相変わらず“アウトサイダー”でありつづけるのか、というところ。

ここに登場する人たちは、いずれもしっかりした教育を受け、能力的にも一定レベル以上のものを持っている。自分のビジョンも明確だし、会社や今の日本社会の矛盾を直感的にでも感じ取っているのだ。だから、「貧困大国ニッポン」で出てくる人たちと比べてしまうと、やはり別の世界の人たちではないかと思えてしまう。できる人はちゃんと自分でチャンスを造ってそれをものにすることができるということ。つまり、昭和のレールが壊れた世の中においては、格差は発生するべくして発生し拡大していくのだと。
昭和のシステムは、マクロ視点で見ればバジェットの均等配布システムだったといえる。社長の年間報酬額を見ても、アメリカと比べると異常に低い(アメリカが異常に高いのか?)。護送船団式に、できる人もできない人も「会社」という船に乗り合わせて、それぞれにあてがわれた役割を全うしていくことで、世間の荒波をみんなで乗り越えてきたわけだ。
しかし、できる人間はやはり船を下りたがる。それは単純に自分の取り分が多くなるからだ。やりたいことが他にあるというケースもあるが、取り分が増えるとは限らない。この場合、むしろ減るケースの方が多い。こうやって考えると、できない連中は寄り添い助け合いながらグループとしての利益を生み出す努力をし、できる人間はその能力に見合った仕事と報酬にありつく、という二面的な雇用社会が一つの方向性なのではないだろうかと思う。
問題はやはりワーキングプアだ。寄り添わないと生きていけない層だ。蟹工船が売れ、共産党に対して若者の関心が向くこのご時勢。国の事業として、あぶれた若者たちを招集し農業に従事させるぐらいのことをやったっていいんじゃないか。WTOの問題で、国内農業も輸入品の脅威に晒されるのだし、国策として自給率アップの担い手として考えたらどうなんだろう。ただ、数年前に放送されたNHKの日雇い派遣のドキュメンタリーなんかを見てしまうと、そういった労働にすら耐えられなさそうな感じもする。自立できない若者の存在がこの問題の根を深くしている。

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