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July 08, 2008

偽善エコロジー

Im000026 偽善エコロジー/武田邦彦

幻冬舎新書 ISBN978-4-344-98080-8

エコロジーはエゴロジーであり、消費者を欺くための行政や業者の隠れ蓑のようなもの、と言うことをいろいろな事例を通じて明らかにしている。

環境に対して本当にやさしいのは、物をなるべく消費しない生活であり、無理のない循環性を意識した暮らしである。リユースと言う観点ではペットボトルより壜のほうが優れているが、携帯性や安全性を捨ててまで壜を重用する必要はない。かといって、その多くがリサイクルされずに廃棄されているペットボトルも、飲んだら捨てるのではなく中身を詰め替えて何度か使うことを推奨している。

実際読み終わって、明日からゴミの分別を止めようかとも思った。本書によれば、分別作業はまったくの無駄であり、業者を儲けさせるために市民の労働力を無料で使っているだけだというのである。プラの分別があまり意味がないのではないかと言うことはうすうす感じてはいたのだが、やっぱりかの思いが強い。ただ、止めてしまうと持って行ってもらえなくなるので、仕方なしに続けるしかないのだ。「ゴミ分別は意味がない」とか言った瞬間に、どこぞの環境狂信者から強硬な圧力がかかるに違いない。これは環境とかそういった活動が行政主導で行われてきたためで、市民側はある意味言うなりにならざるを得なかったところがある。こうしてみると、なんか、中国の情報遮断された労働者とあまり変わりないな。

本書によれば、エコ活動としてよく知られていることには嘘があるとしている。どこまでが真実なのかは分からないが、所謂エコの常識にも結構いかがわしいところがあるということは確かなようだ。

・スーパーのポリ袋は石油を無駄なく使うための知恵から生まれたものであり、使わなくても石油の消費量には何の影響もない。むしろ、新たに買い物袋を買うことで資源を余計に使っている。ポリ袋に課金した分スーパーは儲けになる。

・ダイオキシンや狂牛病などの危険性は、普通に生活している分には極めて低い。アメリカ産牛肉の輸入問題は、安全に対するリテラシーの違いが大きく、日本側が過剰に反応しすぎている。

・古紙、プラスティック、ペットボトル、壜のリサイクル、いずれも問題があり、焼却してしまったほうが安全である。牛乳パックのリサイクルも、割り箸を使わないのも意味がない。唯一アルミ缶だけはリサイクルすべし。ペットボトルのリサイクルなどは、回収業者を儲けさせるためだけに税金を使っているようなものである。

・ごみの分別は意味がない。金属かそれ以外かで分けるだけで十分らしい。素人が変に分けて、再び仕分け直していたのでは非効率でもある。

リサイクルにはリサイクルするためのエネルギーが別途必要になるのだ。しかも、0から作る以上に手間がかかりロスも大きい。だから、筆者はなるべく消費を抑えることがエコにつながると言っている。ひとつのものをできうる限り長く使う、その心がけが大事なのだと。しかし一方で、今の日本があるのはそういった消費を繰り返してきたからであり、そのことすべてを否定してエコロジーを語るのも偽善ではないだろうか。問題なのは、何が最も効率的で効果的なことなのか正しい情報が与えられていないという現状であり、盲目的なエコロジーもまったく何もしないのも同じ意味で罪が深い。

くしくも環境サミット開催中、CO2削減がどれほどの意味を持っているのか、改めて考えてみる必要があるのではないのかな。

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