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July 10, 2008

「猛毒大国」中国を行く

Im000025 「猛毒大国」中国を行く/鈴木譲仁

新潮新書 ISBN978-4-10-610267-7

これを読めば、いかに中国という国の根っこが腐っているかがよくわかる。毒性のある薬品を使うことは確かに重大な問題なのだが、その本質は、彼の国の拝金主義体質および社会構造に起因するもので、実際の現場で作っている人たちにすべての罪をかぶせるのはお門違いと言うものだ。彼ら自身もある意味被害者なのだから。
まぁタイミングのいい話で、今話題の魚秀の偽装うなぎから養殖水産物への使用が中国でも禁止されている合成抗菌剤「マラカイトグリーン」などが検出されたという。先の餃子問題もいまだに解決していないし、そもそも食の安全に対するリテラシーがまったくない連中に作らせること自体が間違っているのだ。こちらが指定したとおりに作らせない限り、この手の話はなくならない。異様に安いものには警戒しないといけない。ただ、ブラジル産鶏肉の場合はそのまま利益として乗せていたわけだから、見抜きようがないか(産地証明も偽造してたそうだ)。日本人も地に落ちたものだ。

本書では中国本土の各地に起こっているさまざまな“汚染”を紹介している。
・発がん性の高い漂白剤で白くする春雨
・人工卵の詐欺商法
・有害フェイク果肉の入った月餅
・ダンボール肉まんはほんとうにあった?
・各地に広がる「癌村」
・漢方薬で健康障害 などなど。
弱者を食い物にする構図がいたるところに見られる。なかでも「癌村」の話は本当に悲惨で、公害被害を国に訴えても、工場の経営者が地元の有力者で官吏と通じており、訴えが途中で握りつぶされてしまうのだ。訴えを起こした果樹園経営者は、突然公安に逮捕され拘留されてしまう。そして数日後理由も聞かされないまま突然釈放されるといった調子。もはや人権などどこにも存在していない。最終的に地方行政府から和解を勧告され、わずかな示談金から裁判費用を払ったら無一文になってしまったという。こんな不条理がまかり通る世界があの国なわけだ。そりゃ見せたくないところもたくさんあるでしょうよ。
字も読めず、まともな教育も受けておらず、社会でどんなことが起きているかも知ら(され)ない人たち。ただ日々を生きるために、言われたことをやり、そこにあるものを食べている。いってみれば、限られた層のための都合のいい労働力でしかないのだ。地方農村部の不満は相当高まっているらしい。モンゴルもずいぶんきな臭い話になってきた。何かをきっかけとして、彼らが一気に爆発することを北京は一番恐れているのだろう。

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