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July 28, 2008

ぼちぼち結論

Bochibochiぼちぼち結論/養老孟司

中公新書 ISBN978-4-12-101919-6

『バカの壁』でおなじみ養老先生のぼやきの書。中央公論に連載していたコラムに終章を書き下ろして追加してある。日頃、何か違うんじゃないかおかしいんじゃないかと疑問に思うことを素直におかしいというところがこのご老体の魅力で、しかも本質を突いてくるから読んでいて気持ちがいい。で、本書の肝はやはり最後の部分で、結局分かりきっていることだけれど、これから日本が如何に脱石油文明、脱アメリカでやっていけるかということに尽きるのだ。

「昭和」という時代は、とにかくアメリカの尻を追いかけていった時代だ。それはすなわちアメリカを見ていればいずれ日本でも流行するものが見えた時代でもあった。で、そのアメリカ文明とは言ってみれば石油文明であり、その大量消費によって成り立つ文明だ。もともと日本は資源がなくて、そういうエネルギー依存の高い文明国家ではなかった。だから、本来であれば原油価格が高騰してもこれほどあたふたすることはなかったはずなのだ。日本がアメリカナイズされたがためにこんなことになっている。地球温暖化の話だって、全世界のCO2ガスの1/4を排出するアメリカが動かなければどうにもならないのだし、高々5%にも満たない量しか出していない日本がこれ以上何かやっても無駄とはいわないにしても貢献できるところは少ない。それよりも、日本の省エネ技術は最先端なのだから、この部分でもっと貢献すべきだろう。先生も、ものづくりは二流国家のやることだが、アメリカに作らせるよりはずっといいと書いている(この時代アメ車じゃないし、中国に作らせるとそれはそれで悪さをするからいけない)。

脱石油、脱アメリカ、それでもって日本独自の道を世界に示せるかどうか。真の自立した国家。それが日本の指導者と呼ばれる人たちがやらんといけないことだろうと。日本人の劣化を嘆き、エネルギー枯渇の時代を乗り切るには、人を育て強くしていくことが大事だと説く。まったくもってごもっとも。さて、この老賢者の言うことに耳を傾け、それを実行できる人がこの国にどれほどいるのか。一番の問題は、そこですよ。

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