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July 05, 2008

ラブホテル進化論

Im000024 ラブホテル進化論/金 益見(キム・イッキョン)

文春新書 ISBN978-4-16-660620-7

ラブホテルというお題に対して、徹底した足で稼ぐ取材をもとに日本独特の文化としてその変遷をまとめたものが本書。現地現物、当事者でしかわからないことや心情も含めて隈なく調べ上げているところは感心する。あとは、それをどのような視点でどう纏め上げるかなんだけれど、多少の困惑と物足りなさを感じた。ひとつは「進化論」とする題名についての違和感。ひとつは文化論としての軸をどこに据えるのかという視座の問題。あれもこれもと詰め込みすぎの感があるし、手馴れた書き手だったら、これだけの情報量があれば3冊ぐらいは書けそうなものである。

失礼を承知で言えば、若い女性がラブホという多少タブー的な領域に対してアプローチするという、いかにもメディア受けしそうなネタとして考えると、本書が実力以上に評価されていても不思議ではない。確かに中で展開されている日本のラブホテル史は、非常に興味深くかつ面白く読める。実際すらすら読めてしまった。ただ、文化論としては食い足りないのも事実。性や羞恥心に対する意識の変化や時代における男女の関係性がラブホテルという装置に大きな影響を及ぼしているのであって、そのバックグラウンドの掘り下げが弱いから、今日のラブホの悩みが総体として浮かび上がってこない。「先端」を取り入れて発展してきた業界が行き詰まりを見せたとき、その先にあるものは何なのか。現状分析で終わってしまうのであれば、それはとても勿体ない話だ。

もうひとつ思ったのは、是非作者のルーツの国におけるモーテル(ラブホ)との比較をすると良いのではないかということ。日本と違って、韓国に旅行に行ったときは普通にモーテルに泊まっていたし、儒教の国である韓国の人の性意識まで引き出せれば相当面白いのではなかろうか。これでまた一冊書けるな。

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