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June 03, 2008

ハンティング・パーティ

実在のジャーナリストが経験した事実をベースにして作られた、いわゆるリアリティムービー。どこまでが実際に起きたことなのか、最後にネタバラシはしているが、それが逆にしょぼかった。知らない方がいいこともある。事実は小説よりも奇なりとはいうが、現実はそうそう面白いものではない。本作で事実をベースとした意味を問うならば、それはサラエボで8,000人もの人間を虐殺した戦争犯罪人が、大国の都合でいまだ生かされている事実を世界に知らしめたということだろう。(ネタバレ)

Hunting_party_2 戦地専門の売れっ子ジャーナリスト、サイモン(リチャード・ギア)はサラエボのライブレポートの最中にトラブルを起こしテレビ局から首にされてしまう。相棒であったカメラマンのダック(テレンス・ハワード)は局に残り出世していく。そして5年後、2人はサラエボの記念式典で再会する。世界中の紛争地をレポートしながら落ちぶれて行ったサイモンだったが、とっておきのネタを追っているとダックを仲間に引き入れようとする。サラエボ紛争中におこったスレブレニツァの虐殺の首謀者、戦争犯罪人として500万ドルの懸賞金をかけられている“フォックス”の居所を掴んだというのだ。サイモンとダック、そして親のコネで入社したと馬鹿にする連中を見返してやりたいと思っている副社長の息子で新米プロデューサーのベン(ジェシー・アイゼンバーグ)の3人は“フォックス”を追うことになる。捜索を進めるうちに、“フォックス”の周囲は彼らのことをCIAが送り込んできた殺し屋チームだと勘違いしはじめる。そして、“ハンティング・パーティ”は核心へと急接近するのだった。

鑑賞後になんとも歯切れが悪いのはなぜだろう。物語はテンポよく進んでいくのだが、個人的には盛り上がりにかけた映画だった。サイモンが本番中に切れた理由が取ってつけたように思えてしまうのも、事実ベースというところが引っかかっているのかもしれない。戦争の悲劇をリアルに感じないベンをたしなめるダックのくだりは、この映画における重要なシーケンスだった。最愛の人が紛争の犠牲となったというサイモンの昔話。たぶん、ここが一番嘘臭いからなんだろうな(たぶんフィクションだとおもうけど)。手引き(本当)から拉致され救出されてまでは事実だと思う(あのタイミングで助かるというのも絶対フィクション。ゴチャゴチャだな)。そして、そこ後のエンディングまでは製作者側の“Wish”なのだろう。だから違和感がある。確かに拉致から救出されたところで終わってしまっては作品として中途半端。難しいところだ。事実をベースとした社会派作品はいくつもあるが、事実とエンタテイメントの配合バランスでその印象も随分変わる。下敷きにした事実も、エンタメに昇華させるにしてはちょっと地味だったかもしれない。どちらに立ち位置を取るかによって評価は分かれるだろうし、どっちにしても中途半端な印象はぬぐえない。
リチャード・ギアは、俳優としてのイメージが『プリティ・ウーマン』で止まってしまっているので、この手の男臭い役柄は意外な感じがしたが、スリットのような細い目からは熱血漢としての強い怒りと意思を感じることが出来た。サイモンという役柄の、どことなくいい加減なところが彼本来持つ優男的なイメージと上手くリンクしていて、いい味を醸し出しているのではないかと思った。
全体的に悪くはないが、突き抜けるものもない。もどかしい1本だった。

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