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March 20, 2008

生物と無生物のあいだ

Seibututomuseibutunoaida 生物と無生物のあいだ/福岡伸一

講談社現代新書 ISBN978-4-06-149891-4

インナースペースの話。DNAの螺旋発見の逸話から膵臓細胞の謎の解明まで、研究に携わっていた人たちの人間模様を絡ませながら一気に読ませる(解説書ではない、まさしくノンフィクション)。

生命とは「自己複製するシステムである」という定義がある。しかし、福岡先生はウイルスに“生命の律動”を感じないことから、生命の特徴をもっと的確に捉える定義づけを本書で試みているのだ。(ウイルスは細胞に寄生して自己のDNAを注入し、寄生された細胞はそのDNAのままウイルスを細胞内で生産してしまう。)

結論を書いてしまうと、生命とは代謝の持続的変化であり、「生命とは動的平衡(ダイナミック・イクイブリアム)にある流れである」と福岡先生は定義する。オイラ的には「生命は流れである」という概念は哲学にも通じるところがありいたく感動したのだが、なかなか上手く説明できる言葉が見当たらない。おそらく、この一文だけでは理解しようにもできないだろう。その難しいことをやさしく流麗な文章で理解させてしまうのだから、福岡先生の執筆者としての能力の高さに恐れ入る。

この結論を導くステップにおいて、「なぜ人間は分子の大きさに比べてこんなに大きくなければならないのか」という話が出てくる。この話だけ取ってもすごく面白いのだが、逆説的に、分子がパチンコ玉ぐらいの大きさだったとした時の自分を想像してみる。それが出来さえすれば、ここに書かれている内容はすぐ理解できると思うのだ。

つまり、誤解を恐れずに言えば、時系列的に全く同じ自分は生物理学的に存在しない、ていうことなんだよ。これは目から鱗だね。栄養学的要求とは無関係に、生体高分子も低分子代謝物質もともに変化してやまない。生きてるってことはすごいことだよ。

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