« 開幕スタメンを予想してみる | Main | ファンタジーサッカー08 第1節プレビュー »

March 05, 2008

トライガンマキシマム 第14巻

Trigun_max14 トライガン・マキシマム 第14巻/内藤泰弘

少年画報社 ISBN978-4-7859-2923-7

終わらせ方はいろいろあったんだと思うが、まぁ、ドタバタコメディー風から始まったこのドラマが再びココに戻ってきたのは、結局、みんなが平和で笑顔で暮らせる毎日の尊さを実感することがこの物語の目的だったということなのだ。物語の根底に流れる人に対する深い愛情と楽観主義がそうさせたと言ってもいい。

(ネタバレ?)

「地球環境に対する悪は人類そのものである」という設定はSFではよくある話で、トライガンにも実は同様の構造が設定されている。すなわち異種族と人類の二項対立にその関係を見出すことが出来る。「デイアフタートゥモロー」や「宇宙戦争」のような直接的な災害ではなく、あくまで人間対人間のドラマとして描くところにこのギミックが生きてくるのだ。

ナイヴスは人類を滅ぼすために総てのプラントを吸収する。まさに人類によって狂わされ災害を引き起こす地球のようだ。その絶大な力の前に人類はなすすべもない。ヴァッシュは単身ナイヴスを阻止すべく対峙する。プラントに対する人類の呼びかけが通じた時、ナイヴスは内部から崩壊する。そして、兄弟同士の最終決着。

不殺の枷を解きレガートを退けた時、初めてウルフウッドを理解したヴァッシュ同様、ナイヴスもまた人を守り続けたヴァッシュと繋がることでその存在、意思を理解する。ナイヴスがヴァッシュを救ったのは同族の血故ではあるが、そのことによってヴァッシュの先に連なる人類をも知ることとなる。それぞれの意味を知り、理解し、そしてリスペクトする。ヴァッシュは自らの命を賭してナイヴスにそのことを教えようとした。二人の尖翼は相互理解の象徴なのだ。ナイヴスはヴァッシュの元を去ったが、人類を見守るものとして生き続けることになるだろう。そして、黒髪になったヴァッシュは、人としての寿命をまっとうするのだろう。人が未来永劫生存し続けていくためには地球と『共生』していく以外にはなく、それは何よりお互いを知り認め合い、それを行動としてあらわすことでしか実現できないということなのだ。

また、世界の滅亡を前にしながら、『殺戮』という、あくまで個人的な嗜好にこだわり続けたガンホーガンズ(性悪説の象徴としても見ることが出来る)が人のエゴだとするのであれば、これらを倒さなければ人は前へは進めないということでもあり、『共生』とは如何に人がその業を断ち切るかにかかっているとも読み取れるのである。

こうしてみると作品全体がメタファーになっていて、意外と深くて重たい話だったことに気づく。おちゃらけとシリアスの同居もこの作品の魅力であったな。いや、内藤センセ、ほんと12年間お疲れ様でした。

とにもかくにも、『Love & Peace』ですよ。

|

« 開幕スタメンを予想してみる | Main | ファンタジーサッカー08 第1節プレビュー »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/77466/40370738

Listed below are links to weblogs that reference トライガンマキシマム 第14巻:

« 開幕スタメンを予想してみる | Main | ファンタジーサッカー08 第1節プレビュー »