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February 22, 2008

RlDE BACK 第8巻

Ride_back_8 RIDE BACK 第8巻 / カサハラテツロー

小学館 ISBN978-4-09-188367-4

平積みされた表装から、尾形琳が「買って下さい」と訴えかけるかのように見つめている。
いや、今日はワイルド7の文庫本新刊買いに来ただけだからと、視線をそらそうとしたそのとき、帯のタタキがふと目に止まった。

ゆうきまさみが“やられました”“こーさんこーさん”?

ぬぅ。

次の瞬間、既刊全8巻を束ねて鷲掴みにしキャッシャーへ足早に向かう自分がいた。

直感ですよ。そしてそれはいつも正しい。

作者のカサハラ氏を調べてみたら東芸大出身(作品の舞台が美大なのでなるほど、と)。しかも、出自が少年科学誌という変わり種。さらに連載は月刊lKKlというマイナー誌。「偶然は必然」と思えるような出会いでしたな。

さて肝心の中身ですが、軽くメカオタが入りつつ、主人公・尾形琳の振り回わされっぷりがハンパなく素晴らしく、作者の妄想未来にドップリ浸かれます。(ネタバレ)

時は2020年。東京大震災と静かなる世界戦争を経由した世界は、世界統治機構(国連に代わる新たな世界組織)という組織によって管理されようとしていて、これに反発して、国内では学生運動が盛んになっている。作品の書き始めが2003年で、すでに5年経過する間に作者の作った年表は現実世界を飛び越えてパラレルワールドヘ突入しています。

作中で主役級の役割を与えられ題名にもなっている「RlDE BACK」は、オートバイ的な機関部をコアに二足走行する人型の乗り物(余談だが、日産デュアリスのCMに出てくるロボットは、このRlDE BACKをヒナ型にしたのではないかと思えるほどよく似ている)で、昨年のモーターショーで参考出品されたことになってマスw。現実世界でも、トヨタとホンダが本気でロボット事業に取り組んでいるし、オートバイのよう走ることはないにしろ二足歩行型のロボットがこれから世の中に増えていくことは間違いなさそう。

主人公・尾形淋は、ひょんなことからRIDE BACKと出会い、その魅力に引き寄せられていくのだけれど、同時に学生運動(反世界統治機構運動)にも巻き込まれていくわけです。琳は運動のイコン(聖像)として担がれ、いかにも救世主的に見えるんですが、実際は全然ダメなんですね。ダンサーとして震災で死んでしまった母親を越えることもできず、いつも肝心なところで直情的に動いて周囲に多大な犠牲をもたらし、弟を救うこともできず、利用され悪者にされ結局当局に捕えられてしまう。主人公が犯罪者ですよ(唖然)。予定調和しないネガなストーリー展開にやられっぱなしなのです。メカもいいけど、作品魅力の中心は、まさしく尾形琳の転落流転人生にあるわけで、どこまで流されていっちゃうんだろうか、ー体この物語に救いはあるのだろうか、最後(期?)まで見守りたくなる作品なのです。

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