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November 23, 2007

クワイエットルームにようこそ

主人公がオーバードーズ(薬物=睡眠薬の多量摂取)でかつぎ込まれたのは精神病陳だったが、「精神」というより「心」と表現するほうがしっくりくる。いろいろかかえ込んで蓋して生きてきた人間が、何かの拍子でその蓋が開いて、中のモノが一気に吹き出したとき、果して自分を取り戻せるのかという話だ。(多少ネタばれ)

Qiet_3 表面軽薄を装い、実は結構重い過去を背負っている主人公・佐倉明日香を内田有紀がゲロまみれで熱演(蕁麻疹の特殊メイクも何気にすごかった)。ただ、脇をかためる大竹しのぶ、りょう、そして蒼井優(最高!)が強力すぎて、主役が相対的に陥没気味でもあった。女優陣の個性のぶつかり合いは、迫力があり圧倒される。また、宮藤官九郎、妻夫木聡も女性陣に負けず劣らず今日的な駄目男をリアルに好演。キャスティングだけで十分楽しめる。逆に、コメディというカテゴリーで見てしまうと物足りない。これをどう取るかは人それぞれだと思う。実際、結末も含めてストーリーそのものに驚きはない。ただ、なんとなくこの作品に引き込まれていくのは、現代人の誰しもが持つ心の傷に対する共感なんだと思う。明日香の回想によって彼女の背負った心の傷が明らかになっていき、入所者、看護婦達との交流と対立を経て、彼女は自分を取り戻していく。見る側はその過程に自分を無意識に投影するのではないだろうか。
クワイエットルームとは、暴れる危険性のある患者を他の患者から切り離し拘束するための保護室だが、作品上の意味づけとして、社会と個人を切り離しその人の本質を取り戻す(リセットでもなければ再生でもない)ところとして象徴的に描かれている。それはすなわち人生のドロドロとしたものと正面から向き合う場所なのだ。
明日香と同室だった医者の奥さんが、明日香を仲間に誘ったのは自分と同じニオイを感じたから、だと言った。その彼女は明日香より先に退院したが、明日香の退院と入違いでオーバードーズ(おそらく自殺未遂)で戻ってきてしまう。これは明日香の未来の暗示ともとれるし、また、それに負けることなく社会で強く生きて欲しいという作者の願いでもあるのだろう。
“心”が疲れぎみの人は、ちょっと勇気がもらえる優しい作品である。

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