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December 24, 2006

スキャナー・ダークリー

Scanner_darkly まず、映画(映像)化すべき原作だったのか、という疑問が頭をもたげてきてしまったので、一本の映画作品としての正当な評価はできそうにない。

思いのほか原作に忠実に話が進んでいくことに戸惑いながら、バリスの正体とドナの正体を明かすタイミングや、アークターが農園送りになった後の説明的なシーケンスの挿入といい、映画化にあたっての配慮はとりあえずされていて、その部分は好感が持てた。

しかし、序盤から延々と続くヤク中たちの会話は退屈そのもので、隣の学生は途中寝てたようだし、自分も珍しく睡魔が襲ってきた。彼らの会話の中にこそ、この作品の本質が眠っているのに、眠気を誘うようなつくり方では作品の主題は伝わらない。自転車のギアのシーケンスは典型だ。会話そのものは無意味でも、作品においては非常に意味があるシーケンス。全体見終わって、それが何を意味していたなんて遡及すること自体難しい。

ロトスコープの技法そのものは珍しくない。スクランブルスーツの表現には一役買っていたかもしれないが、あまり遊んだ部分もなく、アニメーション画質が現実感をそぎ落とすことで近未来感やドラックカルチャー的な雰囲気を醸し出したかったのかもしれない。しかし、それは役者をデフォルメし、コミック的な表現になってしまうので(これも狙いなのか)せっかくの演技のディテールも省略されてしまっている。なんかもったいない。さらに言えば、個人的には、ディックの、フレックやバリスやラックマンへ投影されている彼の友人達への気持ちを考えれば、リアリティのある映像であってほしかったなと思う。彼らはスクランブルスーツに描かれるような幻ではないのだから。

中途半端にエンタメしている部分をつまみ上げられてしまった不幸。それも、ストーリーは断片的で、アークターの末路を導いていくには配慮があったにしても説明が不足している。エンタメ映画にするのか、ドラッグムービーにするのか、結局虻蜂取らずで終わってしまった。予備知識なしの人がこれを見て、果たして面白いと思うのか是非聞いてみたい。もし、この映画から原作に興味を持つならば、小説を最低3回は読んで欲しいと思う。1回では無理だ。ただし、読み切るには”ある種の精神的なくたびれ“を要求されることになるだろうが…

それにしても、ウィノナ・ライダーってあんな胸大きかったっけ?描いてるのかな。

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