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July 24, 2006

パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト

さっそく観て来た。文句なしに面白かった。1作目に比べて設定がよりファンタジーに振れている所は気になったが、大人の御伽噺と割り切れば、作品自体のインパクトは前作以上だと思う。
漫画的要素をふんだんに取り入れつつ、ハラハラドキドキ、笑いにラブロマンスと、冒険活劇のエッセンスをこれでもかというぐらいにてんこ盛り。それでいてストーリーの芯は全くぶれず、グイグイと観客を引っ張っていく。ところどころCGに無理があるなぁと思いつつ、ジャック、ウィル、提督の三竦みの剣戟など生身の役者が見せる演技にも見所をつくっており、1作目よりも全体的に派手さがある。海賊映画は流行らないという俗説を打ち破ったという評判なのだが、それはどんなカテゴリーの映画であろうと面白くなければヒットしないのであって、観客のニーズにフィットするものであればどんなカテゴリーであってもヒットするのだ。そこを勘違いしている。では、どこがツボだったのか。言わずもがな、キャプテン・ジャック・スパロウである。

Cpjack_2 巷のしがらみから隔絶されているにもかかわらず、自分がやりたいことのために縛られてしまっている(デイヴィとの血の契約)ジャックこそ現代のアイロニー。ただ、そのしがらみを悪知恵を使って乗りきろうとする茶目っ気が非常にチャーミングに映る。オプチミストたれ。人生は楽しむものであると。そして望んだ危機をも受け容れ楽しんでしまおう。そのイカレ加減に憧れを感じる。ジョニー・デップがジャック・スパロウの役作りにおいてキース・リチャーズのファッションを取り入れたことは、このことと無関係ではない気がする。本質的なところで、アナーキーなんだけれども憎めない、そんな存在感、ヒロイズムを感じたからこそキースをモデルとしたのではないかと思うのだ。
ジャックの行動規範は全ては自分のためなんだけれど、それが結局人のために繋がってしまっている。嵌めるつもりが、いつの間にか嵌められている。逃げようにも逃げられないこの世のしがらみの糸に操られるジャック(ジャックがいつもふらふらしているのはこのせいかも知れない。もしかしたら悪霊かもしれないが…)の滑稽さをみな笑いに来ている。笑いながら、自分が実生活でなんでこんな苦労しているのかと振り返り、ジャックのように自由な気持ちで笑って生きていこうと勇気付けられる。
さて、今作品は言ってみれば【キャプテン・ジャック・スパロウ デイヴィ・ジョーンズ篇】の前編にあたる。ストーリーとしてのエンディングがないので観了後のスッキリ感はない(但し、エンディングロールは最後まで見るように)。早く後編が見たくなるつくりになっている。それだけで十分成功していると思う。連作の第2作目というのはどんな作品においても中途半端に見られがち。しかし、全体を通じてみると実は一番完成度が高かったりする場合もある。本作はどっちになるのだろうか。

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