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December 18, 2005

ブレイキング・ニュース

ここの所忙しくて心のゆとりがなくなっていた。反省。

ちょっと落ち着いてきたので、観たいと思った映画のリストを見直してみる。作品の追加がされていないなか、最後の行にブレイキングニュース12/3~と書いてある。

ネットで調べてみると新宿でレイトショーでやっているではないか。思い立ったが吉日。新宿3丁目から走りどおしで何とか上映時間に間に合った。

breakingnews 最近の事件報道のあり方に対する批判を下敷きにしながら、CGや特殊技術なしにこれだけのエンタテイメントを実現しているのは感心することしきりである。ややもするとコミックになってしまうキャラクターや演出も、ギリギリのところで計算されており、ユーモアのセンスもある。ドキュメンタリータッチなつくりとともに、映画全編を通じて妙な緊張感を保っている。

凄腕女警視レベッカ(ケリー・チャン)に熱血警部補チョン(ニック・チョン)、窃盗団のボス、ユアン(リッチー・レン)の3人を軸に話は展開していく。チョンがユアンを取り逃がしたことがきっかけで警察の信頼は大きく失われてしまう。その回復のために、レベッカはユアン逮捕をショーとしてマスコミに公開することを画策する。ユアンが立てこもったアパート1区画を完全封鎖し、マスコミを巻き込んだレベッカとユアンの心理戦が繰り広げられる。アパートで偶然かち合った殺し屋とともにユアンは脱出に成功するが、レベッカの機転で再び発見されてしまう。ユアンはレベッカを人質にある場所へ向かった。

どんでん返しはない。隠されていた設定も、ありえないビックリ仕掛けもない。いたってシンプルに、流れを大事にしたシナリオだ。モニタールームの中からレベッカが現場へ出て、そこで遭遇する生の事件こそに、この映画の本質的なものを感じた。バーチャルである意味人間性を排除した計算された世界=レベッカが演出したと思っている今回の事件(ショー)のエンディングに対して、ユアンが最後に向かった場所。その想い。レベッカにはそれは理解できなかった。映画は念を押すように、2重のエンディングを用意している。個の意志の力、それはこの映画そのものの力でもあると思う。

いろいろな要素が同居している映画だ。単純にクライムアクションムービーとしても楽しめる。おそらく低予算なのだろうが、それでもこれだけエキサイティングでかつ余韻のある映画になっているのは、作り手側の完全な勝利といっていい。冒頭の7分間長回し(おそらくクレーン宙吊りカメラで撮ったんだろうと思う)なんかは、制作陣のチームワークの賜物だろう。出演者の中ではなんといってもケリー・チャンが圧巻。インテリ女の嫌味な部分が存分に出ていた。あんな女が上司にいたら嫌だろうなぁw。

非常にアナログな感覚が見る側にとって一種の安心感を与えてくれる。これは、デジタル全盛の大作に対するアンチテーゼなんだな。

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