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June 29, 2005

ボーン・アイデンティティー

bourne_identity ひょんなことから劇場で観ることができた。「ボーン・スプレマシー」にどう繋がっていたのか、前の部分を知りたくなるぐらいスプレマシーの出来は良かったという事だ。

この1作目だけを観た感想としては、何か物足りなさを感じた。3人の刺客の設定で落ちが上手くついていたりするのだが、ストーリー自体がシンプルすぎて尺の割には短く感じたせいか。妙に甘ったるいエンディングも映画全体からすると違和感がある。でも、それこそが第2作へのお膳立てであって、まさにこの映画は3部作のイントロダクションでしかなかった事が分かる。

なぜ、ボーンが自分の記憶だけを喪失してしまったのか。単なるご都合主義的なことでは説明できない何かがあることは、1作目からも感じるとることができる。そして、彼の記憶の奥底にある真の人格へたどり着くためのヒントはすでに1作目で提示されていた。これが、スプレマシーでのラストのエピソードにもなんとなく繋がっていて、さらには最終3作目のテーマにもなっていくと思われる。連作モノというと、なんかヒットしそうだから取って付けたように企画して、結局駄目なケースが多いようだが、これはかなり計算されていて、3作で1作という成り立ちの作品だと思う。(この先ネタばれあり。注意)

ストーリーは、マルセイユ沖の海に漂流していたジェイソン・ボーン(マット・デイモン)が漁船に助けられるところから始まる。

彼は自分の記憶を失っていた。背中には2発の銃弾、お尻にはチューリッヒ銀行の口座番号を記した小型のライトが仕込まれていた。自分が誰なのか知るために、唯一の手がかりであるチューリッヒの銀行へと向かう。銀行の貸金庫に預けられていたものは、ジェイソン・ボーンというアメリカ人のパスポートだった。しかし、そのほかに、6冊の異なる名前のパスポートに多額のお金、そして銃がしまわれていた。

自分は一体何者なのか?銀行を出てから彼は何者かが自分をつけていることに気づく。アメリカ領事館で捕らえられそうになったところ彼は自力で脱出する。まるで訓練された工作員のように。脱出したとき偶然であったマリー(フランカ・ポテンテ)の車で、ボーンは自宅があるパリへ向かう。

パリでは別の人間になって何か工作をしていた形跡を見つけた。そして自宅で何者かに殺されそうになる。2人は何者かによってすでに手配されているようだった。警察の執拗なカーチェイスを逃れ、マリーの昔の男の家へ逃げ込む2人。しかし、そこにも刺客が迫ってくる。今度は銃撃戦で退け、刺客が持っていた携帯電話で本当の敵とコンタクトする。ボーンはこれ以上マリーを巻き込まないため彼女とここで別れる。

パリのCIAのアジトに乗り込むボーン。そこで、彼の正体と事態の真相を知ることになる。コンクリン(クリス・クーパー)はCIAを脅迫するウォンボジ(アデウェール・アキムノーエ・アグバジェ)を独断で抹殺すべくボーンを派遣した。ボーンは3000万ドルをかけてつくられたCIAの暗殺要員だったのだ。しかし、ボーンはウォンボジが子供と一緒にいたため殺せず失敗。後ろから銃弾を浴びマルセイユの海に転落してしまったのだった。コンクリンはウォンボジ暗殺の証拠を消すためにボーンおよびウォンボジの抹殺を指令する。ウォンボジの暗殺には成功するが、ボーンを殺す事はできなかった。ボーンは彼を殺そうとしていたコンクリンに、これ以上関わるなと釘を刺しその場を去る。その後、コンクリンは事態を収拾しようとしたアボット(ブライアン・コックス)が放った刺客に殺されてしまう。

遠くトルコ(だったと思う。スプレマシーの最初は)の海辺で、ショップを経営するマリーのもとをボーンが訪ねてきてハッピーエンディングとなる。

「ボーン・アイデンティティー」単品としては、やはりマリーの存在が大きい。マリーが次第にボーンに惹かれていく心理の裏には、家族と離れ放浪する彼女の孤立感、孤独感が存在しており、2人が結ばれる必然を感じさせる。演じるフランカ・ポテンテという女優についての知識は皆無だが、あばずれとエリートをごちゃまぜにしたようなアンニュイな感じがすごく魅力的に見える。マット・デイモンのほうも、ボーンの、自らのアイデンティティーが喪失した不安感、自分では無意識のうちに出てくるさまざまな能力に対する恐怖感、人格をリセットされた無垢な青年としてのナイーヴさを、1作目から上手く表現していたと思う。2人の心のふれあいを描いた事(ボーンのオリジナルな人間性に触れること)で、この映画が単なるスパイアクションもので終わらず、深みのある人間ドラマとして昇華されているのである。ただ、核心まで到達できていない事がこの作品の物足りなさの根源にあるのも事実だ。3作一気に見切るのが一番いい鑑賞法なのではないだろうかと思う。

追記:スプレマシーのオープニングはインドのゴアだった。しかし、マリーと合流できたのは彼女の行動範囲を考えれば欧州だろうと思われる。

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 最初にこの映画を選んだ時、正直迷った。あのマットのスパイ・アクションのヒーロー [Read More]

Tracked on August 12, 2005 at 12:15 AM

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